病気解説

膝の痛み

日々の生活の中で、「膝」に違和感や痛みを覚えた経験のある人は多いのではないでしょうか。
膝の痛みには、膝自体の骨などが問題を抱えていえる場合、膝の周りの筋肉や神経に問題がある場合などといった問題が多くあります。
膝の痛みや違和感を覚えたら、早期治療を行うことが大切です。歩けるからなどといって放置しておくと、歩けなくなってしまったり、手術を受けたりする可能性が高くなってしまいます。

膝の痛みの症状

膝に痛みを感じた時、「変形性膝関節症」「関節リウマチ」「膝関節靭帯損傷」などの可能性があります。
これらの怪我は、スポーツはもちろん、日常生活での負荷のかけすぎや、老化が原因だといわれています。

変形性膝関節症

発症する割合は男性1で女性4となり女性に多く見られる病気です。また、高齢になればなるほど罹患率が上がります。
変形性膝関節症の主な症状として、「膝の痛み」と「膝に水が溜まる」などがあります。
初期段階では、立ち上がる時などに膝に痛みを感じるようになります。症状が進むと階段の上り下りが辛くなり、手すりを使うこともあるでしょう。
最終的には安静にしていても痛みを感じ、膝が変形してきます。膝を伸ばすこともできなくなりますので、歩行などの動作が困難となります。

関節リウマチ

関節内にある滑膜という組織が異常増殖することで、関節内に慢性の炎症を生じる病気です。症状が進むと関節が破壊されていきます。膝関節が痛むほかに、「貧血」「微熱」「全身倦怠感」といった全身に関わる症状を発症することもあります。
最初は両方の手や足の指の関節が対称的に腫れていきます。
とくに朝は、張るような症状が強く出ます。症状がさらに進むと、「水が溜まる」「変形」といった症状が起き、日常生活に支障をきたすようになります。関節リウマチは、その名前とは違い全身の病気となっていくでしょう。

膝関節靭帯損傷

2つの病気とは少し異なり、膝関節靭帯損傷は外傷によって引き起こされます。関節内血腫によってしばらくの間、関節が腫れます。腫れに伴い痛みも現れ、受傷後3週間ほど経過した「急性期」といわれる期間では、関節の可動域が制限されてしまいます。
また、治療を受けずに放置しておくと半月版損傷へ繋がることもありますので、しっかりと治療を受ける必要があります。

膝の痛みの原因

変形性膝関節症

変形性膝関節症の原因は、大きく分けて4つあります。
1つ目は外傷です。「骨折」「靭帯損傷」「半月板損傷」など膝に外傷を受けることで「化膿性関節炎」を発症し、後遺症として変形性膝関節症になる場合があります。

2つ目は高齢化です。年を追うことで引き起こされる場合は、クッションの役割をしている関節軟骨が老化によって弾力を失うことにより、骨と骨がぶつかり削れることで起こります。この現象が変形へと繋がります。

3つ目は遺伝です。家族に変形性膝関節症の人がいる場合、発症する確率が高くなります。

4つ目は肥満です。肥満の方の場合、膝に大きな負担がかかります。負担がかかった状態で何年も過ごすことで、膝が重さに耐えきれず、変形性膝関節症を引き起こします。

関節リウマチ

関節リウマチが起こる原因は不明な点が多くあり、正確な原因は解明されていません。
可能性として、「遺伝的要因」「細菌」「ウイルスの感染」が考えられています。
関節リウマチの病態は、自己免疫疾患と考えられており、自分自身の身体の一部を異物として認識してしまうために抗体を作って反応を起こします。この結果、関節液を作る滑膜という組織にリンパ系細胞が集まり、関節リウマチになります。関節リウマチが重症の場合には、関節は固まったり、緩んだりして大きく変形します。最終的に関節が破壊されつくすと、変形を残して炎症は治まります。

膝関節靭帯損傷

スポーツでの外傷や交通事故などで大きな力が膝に加わった時に、靭帯が損傷してしまうことが原因になります。
外側からかかる力で「内側側副靭帯」、内側からかかる力で「外側側副靭帯」が損傷します。また、前内方に向かう外力で前十字靭帯、後方への外力で後十字靭帯が損傷します。力が加わる部分や方向で損傷する靭帯は変わってきます。

自分でできる膝の痛みの予防法・対処法

「変形性膝関節症」「関節リウマチ」「膝関節靭帯損傷」の特徴・原因をふまえた上で、怪我をしないように予防を行ったり、怪我をしてしまったりした時にどう対処するかで、早期完治が期待できます。

変形性膝関節症

変形性膝関節症の予防は、膝周りの筋肉を鍛えることにあります。
特に太ももの前の筋肉である大腿四頭筋を鍛えることは非常に有効です。
スクワットが一番効果のある筋トレですが、高齢者の方は無理をすると、そのほかを痛めてしまう場合があるため、無理は禁物です。軽いウォーキングだけでも十分な筋トレになるので、しっかりと歩くようにしましょう。
また、正座は膝へ大きく負担をかけてしまうことになるので気をつけてください。

肥満が原因で変形性膝関節症になってしまうリスクがある方は、無理のない減量を行うことが一番の予防法です。スクワットであれば、太ももの筋肉を鍛えることと、肥満の解消を同時に行うことができるので一石二鳥ですね。

関節リウマチ

原因が不明なため有効な予防法はありませんが、症状を悪化させないためには適切な休養と栄養が重要とされています。
また、悪化してしまうと治療が非常に困難となりますので、早期発見早期治療を行うためにも、早めに当院へご相談ください。

膝関節靭帯損傷

膝関節靭帯損傷は突発的に起こるため防ぐことは難しいです。
靭帯損傷は、一度起こると関節が不安定になるため、怪我の再発リスクが非常に高くなります。炎症状態が長く続くほど、関節は硬くなり完治への時間が長くなります。
そのため、早期治療を行うのが一番の対処方法です。

病院での膝の痛みの治療

それぞれの予防法・対処法について詳しく紹介しましたが、痛みや違和感を覚えた場合は、専門医による適切な治療が必要になってくるでしょう。具体的にどのような治療を行うのか、症状ごとに解説していきます。

変形性膝関節症

変形性膝関節症の症状が軽い場合は、痛み止めの内服薬や外用薬を使った治療法となります。

また、関節軟骨の活性化を促すために膝関節内にヒアルロン酸の注射を使うこともあります。
これと同時にリハビリを行います。高齢者の方は、特に自分に合っていない運動を行うことで、余計に悪化させることがあります。
当院では、リハビリ専門の先生と共に、負荷の少ない「初動負荷トレーニングⓇ」などを行い、無理のないリハビリを行います。これらは軽度な状態の治療法となります。

変形性膝関節症が重度の場合には手術が必要となり、手術では変形した骨の切除や人工関節置換術などを行います。その後、リハビリを行い完治に専念していきます。

関節リウマチ

早期治療が肝心とされる関節リウマチは、基本的に薬物療法になります。
一般的には、抗リウマチ剤と非ステロイド性消炎剤を使い、症状によってはステロイド剤、免疫抑制剤、生物学的製剤が用いられます。
手足などの範囲で済むケースが多いですが、症状が悪化して全身に症状が広まった場合には背骨の手術が必要となることがあるでしょう。また、指の仲筋腱が断裂している場合にも手術が必要となります。
関節リウマチは原因不明な点が多く、完治させることは非常に難しい病気です。
症状の進行を遅らせて日常生活を送られるようにするといったことが治療の目的となります。

膝関節靭帯損傷

膝関節靭帯損傷は前述でご説明したようにサポーターをつけて可動域訓練を行います。
サポーターをつけてのリハビリで治ることもありますが、前十字靭帯損傷では手術を必要とするケースが多くなります。手術をする場合には、靭帯修復術と再建術が用いられます。
靭帯の再建術後のリハビリは、リハビリの専門医が症状に合わせて行います。

当院の膝の痛み治療

足は、毎日使う大切な身体の一部です。だからこそ痛みや違和感を見逃さず、早めに治療を行うことが大切です。

膝関節靭帯損傷のように怪我を予防することが困難な場合もありますが、予防が可能な膝の怪我も多くあります。必ずしも重症ではないので、きちんと治療を行いましょう。
痛みや違和感がある時は当院に早めにご相談ください。

気になる痛みや症状があったらお気軽にご相談ください

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