病気解説

肩の痛み

肩の痛み、特に肩こりは日本人が最も悩んでいる症状の一つであり、とくに日本人は女性の肩こりが多い傾向にあります。

なぜ肩こりは起こるのか

筋肉が硬くなることで筋肉の血管が圧迫されると血流不全になり、発痛物質が血管内に作られることで痛みを感じるようになります。これが肩こりです。
痛みを感じると筋肉は緊張しやすくなり、再び血流不全になり、痛みを生み出してしまうという「肩こり」の悪循環が発生してしまいます。

「肩こり筋」とは

肩こりになりやすい大きな筋肉が2つあります。
それが僧帽筋(そうぼうきん)と肩甲挙筋(けんこうきょきん)です。
この2つは「肩こり筋」と呼ばれています。
僧帽筋と肩甲挙筋は筋肉の場所や形が違うので、それぞれに肩こりに効果的なストレッチ方法があります。

肩こりの改善

イスに座って簡単に効果的にできるストレッチ

僧帽筋

  1. 右手でイスを持ちます。
  2. 首を左に曲げて左手で支えます。
  3. そのまま身体を左に倒します。

肩甲挙筋

  1. 右手でイスの後ろの方を持ちます。
  2. 首を左前に曲げて左手で支えます。
  3. そのまま身体を左前に倒します。

四十肩と五十肩

肩こりでお悩みの方も多いですが、肩の痛みといえば四十肩、または五十肩を思いつく方が多いと思います。
正式には「肩関節周囲炎(かたかんせつしゅういえん)」といいます。
40代・50代で肩の痛みを訴える方が多いので、四十肩または五十肩という名称がついていますが、同じ病気です。

肩の周囲には様々な筋肉や腱、滑液包(かつえきほう)という関節の潤滑液が入った袋のようなものが存在しています。それらの組織が日常生活の負担により炎症や損傷、組織同士の癒着が起こることにより痛みや可動域の制限が起こります。

一般的な段階としては3段階の経過をたどります。

急性期

疼痛による運動制限に加え、安静時や夜間の疼痛が出現して関節が徐々に強く固くなっていく時期になります。

慢性期

安静時や運動時の疼痛が徐々に軽減するものの可動域制限が残存する時期になります。

回復期

可動域制限は少し残存するものの疼痛がほぼ消失するので、可動域も自然に回復していく時期になります。

肩関節周囲炎は個人差があるものの、最終的な予後は良好であり自然と回復に向かうことが多いと言われています。

五十肩の人の中には腱板断裂(けんばんだんれつ)といわれる肩の筋が切れてしまっている症状の方もいます。
腱板断裂とは肩の腱板と呼ばれる筋肉の集まりが断裂することを言います。
腱板は棘上筋(きょくじょうきん)・棘下筋(きょくかきん)・小円筋(しょうえんきん)・肩甲下筋(けんこうかきん)の4つの筋肉から構成されています。
腱板は上腕骨を肩甲骨に引き寄せて安定させるという重要な役割があります。

腱板断裂では肩関節周囲炎と同様に運動時の痛みや夜間痛が起こりますが、可動域制限は腱板断裂ではあまり起こりません。
ただ筋肉が断裂しているので、あまり力が入らないのが大きな特徴になります。

肩の痛み、肩こりがつらい時は

まずは専門のリハビリスタッフに相談することが大切です。
肩関節周囲炎は無理に動かすとかえって悪化することがあります。
腱板断裂も状態によっては腱板にかかるストレスを少なくするような対応も重要です。
夜間痛などの対応や個人個人によって硬くなる筋肉も異なります。

肩の痛み、肩こりがつらい時は、当院の専門のリハビリスタッフによる検査・治療を受けて、肩関節の症状の原因を特定してから一人ひとりにあった対応策を検討していきましょう。

気になる痛みや症状があったらお気軽にご相談ください

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