病気解説

骨粗しょう症

骨のこと、気になりませんか?
骨の強度が低下して、骨折しやすい状態になることがあります。それが「骨粗しょう症」です。

骨粗しょう症とはどんな病気なのか?

骨粗しょう症とはどんな病気かご存知ですか?
骨の強度が低下してもろくなり、ちょっとしたことで骨折しやすくなる骨の病気を「骨粗しょう症」といいます。
骨粗しょう症により骨がもろくなると、つまずいて手や肘をついた、くしゃみをした、などのわずかな衝撃で骨折してしまうことがあります。

骨粗しょう症になるとなぜ困るのか?

骨粗しょう症になると骨折しやすくなります。
骨折しやすい部位は

  • 背骨(脊椎椎体)
  • 脚の付け根(大腿骨近位部)
  • 手首(橈骨:とうこつ)
  • 腕の付け根(上腕骨)

です。

骨がもろくなったために、背骨が体の重みで押し潰されてしまうことを「圧迫骨折」と言い、背中や腰が曲がる原因となります。圧迫骨折が生じても、腰痛と勘違いしたり、痛みを感じない場合もあります。
1ヵ所骨折すると、その周囲の骨にも負担がかかり、連鎖的な骨折につながりやすいため、早期発見・早期治療が重要です。

大腿骨近位部(ふとももの付け根部分)は、骨折すると歩行が困難になり要介護状態になるリスクが高くなる骨折部位です。 大腿骨近位部骨折の85%は転倒が直接の原因となっていますので、骨粗しょう症の治療とともに転倒予防も重要です。

どんな人がなりやすいのか?その原因は?

男性と女性では、女性の方が骨粗しょう症になりやすく、骨粗しょう症の80%以上が女性といわれています。
骨密度は女性の場合、18歳くらいでピークに達します。そののち40歳代半ばまでは、ほぼ一定を維持しますが、閉経期を迎えて女性ホルモンの分泌が低下すると、急激に骨密度が減り、同年代の男性に比べて早く骨密度が低くなります。

加齢によって骨密度が低下するのは、女性ホルモンの分泌量減少に加えて大腸や小腸でのカルシウムの吸収が悪くなり、カルシウムの吸収を助けるビタミンDをつくる働きが弱くなるなどの理由もあります。
また、若い頃よりも食事量や運動量が減るといった生活習慣の変化も関係します。

加齢とともに生じる生理的な変化は、ある程度やむを得ないことかもしれませんが、できるだけ若い頃から、食事や運動に気を配ることで骨密度の減少を抑えることはできます。

骨粗しょう症の検査

では、どうやったら骨粗しょう症と判断できるのでしょうか?
骨粗しょう症は「骨密度」の測定を行い診断します。
「骨密度」は、骨の強さを判定するための代表的な指標です。
骨密度検査では、骨の中にカルシウムなどのミネラルがどの程度あるかを測定します。骨密度は若い人の骨密度の平均値と比べて自分の骨密度が何%になるかで表されます。X線を使って、手の骨と厚さの異なるアルミニウム板とを同時に撮影し、骨とアルミニウムの濃度を比べることによって測定します。

骨粗しょう症の治療方法

初期の骨量減少なら、食事や運動などの生活習慣を改善することで、骨量が増えてきますが、病気が進むと、薬物療法を始めます。

骨粗しょう症の薬

骨の吸収を防ぎ、骨量を増やす薬

ビスフォスフォネート製剤

破骨細胞の働きを強く抑え、骨密度を上げる薬です。骨折を減らす効果が認められ、骨粗鬆症治療に広く使用されています。毎日飲む薬と週1回飲む薬、4週に1回飲む薬、4週に1回注射する薬があります。

選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM:サーム)製剤

骨に対して女性ホルモンのエストロゲンと同じような働きをする薬で、骨吸収を防ぎます。骨密度を上げ、骨折を減らす効果が認められています。1日1回飲みます。

骨の形成を促進し、骨量を増やす薬

副甲状腺ホルモン製剤

骨形成を促進して骨量を増やし、骨折を減らす薬です。専用のキットを用いて1日1回自己注射する薬と、週1回病院・診療所で注射する薬があり、それぞれ使い続けられる期間が異なります。(1日1回自己注射する薬は最長24か月間、週1回病院・診療所で注射する薬は最長18か月間)
複数の骨折が起こってしまっている患者さんや、骨密度が著しく減少している患者さんなど重症の患者さんに使われます。

骨の代謝を助ける薬

活性型ビタミンD

カルシウムやリンの腸管からの吸収を高めるとともに、骨の代謝のバランスを整えます。骨密度を上げる力は強くありませんが、骨折を減らすという研究結果があります。転倒予防効果があることや、重症な場合にビスフォスフォネート製剤との併用で、より高い骨折抑制効果があります。

ビタミンK

骨のタンパク質の働きを高め、骨質を改善します。骨密度を上げる力は強くありませんが、骨折を減らすという研究結果があります。

痛みをとる薬

カルシトニン製剤

骨吸収を抑える作用があり、骨密度を上げる力は弱いものの、骨粗鬆症による痛みを抑える効果があります。

骨粗しょう症治療の目的は、骨折を予防し、できるだけ長く、日常生活を快適に過ごすことができるようにすることです。骨粗しょう症の治療については、現在多くの開発や研究が行われていますが、なかには持病があると使えない薬剤や副作用が強いものもあります。そのため必ず医師と相談することが必要になります。気になる場合は整形外科を受診して相談してください。

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